12/10(日)静岡市内で「森林認証」を受けているグループの山の見学会を
行いました。「森林認証」とは人間・動物・植物に優しい森林をつくる活動を第三 者にて認定する制度です。植林や間伐・枝打ちなど手をかけた山は良い木材を 造るだけではなく、自然に対して優しい山となります。手をかけない山は荒れて 木が密集し下草が枯れ山の保水力が落ち山が崩れることも。結局それは川下 に住む私たち人間に関わってきます。また、元々の家づくりは裏山から切り出し た木を何年も寝かせ乾かして使ってきました。最近多い「静岡県内産の木材」 も殆どが天竜水域の木材です。静岡市内の家づくりが静岡市内の「安倍川・藁 科水系」の本当の地元の木材で出来たら良いと思います。今回はそのために まずは山を観にいってみよう~そこから今回の見学会が企画されました。静岡 市葵区慈悲尾の森林組合に集合し今回の認証グループの方が所有する梅ヶ島 の森林に向かいました。梅ヶ島地区に入り主要道路から突然民家の庭先沿いか ら林道に入ります。最初はコンクリートで舗装された道路でしたが途中から未舗 装の通に変わりました。以前見学にいっ た天竜の経験もあり今回乗り合いで出 した車はみな車高が高い車でしたので スムーズに先を目指すことができました 。悪路を10分ほど走ると突然丸太が積 み重ねられた場所につきました。ここが 山から木をおろして集積する場所の様 です。その場所を抜けて数100m走っ たところで道は行き止まりになっていました。ここから伐採現場まで歩きとなりま す。沢を渡り、途中丸太の橋を渡り、幅10cmほどの道を登っていきます。それ でも今回の見学のために危ないところにはロープを張って頂きました。伐採す る人たちは毎日この道を往復しています。細い山道を30分ほど登ってやっと伐 採現場に到着しました。遙か先の山の下の方に先ほどの集積場が見えます。 30分の山登りで汗だくとなりましたが、小休憩をしていると次第に体が冷え始め ました。グループの方は最初から想定していた様で火をおこしてくれました。山の 中の焚き火も地面を掘り消火用の水を用意するなどのことも森林認証の項目に 含めれているとのことでした。焚き火を囲み森林認証の話をお聞きしました。まだ 始まったばかりの活動のため山から出された木材が静岡市内に認証木材として 流通していないようです。また、建築士からみた木材としての製品として、木材の 反りや縮みに関係する「含水率」や、木材を梁などに使った場合のたわみにくさ を判断する「ヤング係数」などの測定はまだしていないとのことで、良い森林が出 来そこからだされた「良い木材」・・・といったことは今後の課題と思いました。その 部分は木材として利用する「川下」の建築関係の私たちもお手伝いすることが出 来る場名だと思いました。その後、昼食となりましたが食事をしながらも山側の事 そして家づくりのことを熱く語り合いました。 食事の後に切り出した丸太を集積場にお ろす作業を見学しました。集積場から張 られたワイヤーを伝ってガントリー(釣り 下げクレーン)が登ってきます。下で作 業する人に無線で連絡するとガントリー からワイヤーが降りてきます。それに木 材を結びつり上げていきます。つり上げ 工法には1本吊りと2本吊りがあるとの ことでしたが、ここでは2本吊りを採用していました。1本吊りの方が手間は減り ますが、丸太が山を擦っていきますので山を痛めるとのことから手間をかけて でも2本吊りを採用しているとの事です。山から下りるガントリーと丸太を見届け て、またあの細い山道を下りました。 集積場まで下ると先ほどいた伐採現場が山腹に見えました。ガントリーが吊られ ているワイヤーは片道で800mもあり、3本のワイヤーを人力で張っていったとの ことです。このワイヤーを張るだけでも1週間掛かるそうです。海外では山の奥ま で道が繋がり重機を使って伐採をしているところもあります。船で運ぶ運賃を入れ ても安く入ってくることがここでも感じられます。林道を整備して重機を使った伐採 も考えているとのことでした。私たちが山を下りてくるまでガントリーを途中で待機 してもらい集積場に降りてきた場面も見学させていただきました。 集積場に降りてきた丸太はユンボの先に付けられたアタッチメントで挟んで掴み 集積していきます。その後4mや6mなど必要な長さに切って積み上げて行きま す。ここで中型のトラックに乗せて林道を下り、広い場所で大型トラックに積み 直して山からおろして行くとのことでした。梅ヶ島の見学を終え再び森林組合の 事務所にて「森林認証材」で造られた製品の説明を認証を受けた製材業者の方 から話をお聞きしました。第一弾として、厚さ3cmの杉のフローリングや1.5cm の桧の板材を加工したとのことです。製品は天然乾燥にこだわって作られたと のことでした。木の持つ肌感や艶の事を考えれば天然乾燥が理想だと思います 。しかしそこで質問した含水率については答えが返ってきませんでした。天然に こだわっても反りや割れが起こってしまえば良い製品とは言えないのではない か?今後はこういった計測なども使う側の建築関係者と協力しあって行っていこ うということになりました。 最後に、静岡市内の木材で家づくりについて・・・元々の家づくりのサイクルは 山の伐採のサイクルに合わせて行われていました。木を切るのに適した時期 「伐り旬」に伐採し、杉は3ヶ月「葉枯らし」を行い、一度木を挽き最低6ヶ月は 自然に乾燥させて狂いがあれば出させた上で最終の製材をする。この時間が あれば今でも地元の静岡市内の木で家づくりはできるのです。今回の見学会 でそのルートが見えてきました。静岡市内の木で家づくりを希望される方は 長い目で家づくりを考えてください。そのサポートを私たちが行います。 まるみ建築工房サイト
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